コロナ禍で自宅でテレワークをする人が増える中、今年4月に、自宅で落ち着いた空間を確保できる組み立て式の書斎が岐阜県恵那市のふるさと納税の返礼品に登場した。「集中できる広さで、扉は狭くして茶室をイメージした」。はせ工房(恵那市笠置町)の長谷政雄さん(68)はこだわりの商品に胸を張る。
かんたん検索! 岐阜県・東海のイベント お出かけ情報総合サイト「ぎふっと!」トイレに入ると落ち着いて集中できることに着想を得て、20年ほど前から組み立て式の書斎作りを試みてきた。当初は4枚の板を組み合わせて作っていたが、板が大きいと運ぶのに不便なため、6枚に改良。ヒノキとスギを使い、高さ約1・8メートル、奥行き1・5メートル、幅86センチの書斎にたどり着いた。洋服ダンスほどの大きさで、部屋の一角に置くことができる。
出入り口は、狭く引き戸にすることで茶室に入るような趣に仕上げ、テーブルは一枚板で引き出しも付けた。天井が開いているため圧迫感はなく、冷暖房も取り込みやすい。
長谷さんは大学卒業後、医療器具の会社に8年間勤めたが、転勤が多く家族とも離れた生活が続いたため、転職を考えるようになった。そんな時に見学した美濃加茂市の職業訓練学校で、木工作品に心を引かれて転職を決断。35歳で恵那市に工房を開いた。
物を大切にする心を育てたいと、子ども向けにヒノキを用いた「豆いす」を製作。持ち運びやすい軽さと、約500キロまで耐えられる強度を両立させ、ピーク時は年間170個を受注した。名前や生年月日を彫るサービスも好評を得た。
書斎改良のきっかけは、コロナ禍に伴い自宅で仕事をする機会が増えた東京在住の長男から「子どもたちが家にいるので、集中して仕事ができない」と聞いたから。地元の木材を使い、製作に1カ月をかける手間暇を掛けた一品で、「ベニヤやパネルと異なり、天然の木は癒やしの効果がある」と強調。「まだ認知度は低いが、書斎に入って座ってみれば、落ち着いて過ごせる空間だと実感できる」と自信をのぞかせる。













