オグリキャップの縫いぐるみ(大中小)でいっぱいだった店内=笠松競馬場内の「愛馬会」売店
阪神競馬場で出走したストリートキャップには、福永祐一騎手が初めて騎乗した
ラブミーボーイ(1歳当時)は現在、JRAに登録されており、2歳戦デビューを目指す
今年の桜花賞を制覇したレールミノルと池添謙一騎手

 オグリの夢、再び。オグリキャップの血脈を受け継ぐ孫のオーロシスネが、4歳になって大井競馬場でデビューし、破竹の3連勝を飾った。初戦は今年1月で遅咲きになったが、他馬をぶっちぎる豪脚で今後の成長が期待されている。

「オグリキャップの孫なら、応援したくなるね」と、ファンの思い入れは強い。父キャプテントゥーレ、母キョウワスピカでともに芦毛だが、オーロシスネは栗毛の牡だ。荒井朋弘厩舎でじっくりと調教され、達城龍次騎手が騎乗。初戦は7番人気と低評価だったが、好位から差し切った。2、3戦目は最内枠からで、やや出遅れ気味にスタートし、中団からゴール前200メートル付近で先頭に並びかけると、一気に抜き去った。

 まだC級レベルではあるが、2着馬にそれぞれ4馬身、4馬身、2馬身半差と3戦とも完勝。内からでも外からでも突き抜ける自在性があり、オグリキャップの走りを思い起こさせる切れ味鋭い末脚が魅力。初戦は単勝20倍と伏兵扱いだったが、2戦目は3.6倍の1番人気、3戦目には1.1倍と人気も急上昇。大井の新星候補として、注目を集める存在となった。

 オグリキャップは血統面などから「突然変異」とも言われたが、オーロシスネにもそういったサプライズ的な可能性がある。父キャプテントゥーレは、2008年の皐月賞馬。朝日チャレンジカップを連覇し、デイリー杯2歳Sも制覇しており、重賞は計4勝。芝1600~2000メートルで力を発揮した。母キョウワスピカは佐賀、荒尾に所属した地方馬で、佐賀時代に7勝を挙げている。オーロシスネは月1走のローテーションで出走しており、昇級後の戦いぶり次第では、中央のレースへの参戦もあるだろう。

 オグリキャップの孫では、最後の産駒ミンナノアイドルの長男ストリートキャップ(牡5歳)が、中央の1000万下で奮戦している。桜花賞デーには阪神競馬場に遠征し、福永祐一騎手の初騎乗で注目されたが、末脚は不発に終わった。パドックで見た芦毛のストリートキャップは、顔が白っぽくなって、現役時代のキャップに似てきた感じだった。父は今年亡くなったゴールドアリュールで、同じミンナノアイドル産駒の次男が、順調なら5月にも誕生する。

ゴールドアリュールといえば、ラブミーチャンの長男ラブミーボーイの父でもあった。2歳になったラブミーボーイ。母のように笠松デビューとはならなかったが、JRAに登録され、村山明厩舎(栗東)に所属。調教で鍛えられ、順調なら夏から秋にかけての新馬戦デビューを目指しており、こちらも応援したい1頭だ。いずれ笠松で走ることもあるだろう。4月1日(中山競馬場)には、ラブミーチャンと同じ血統で、妹の4歳馬ハヤブサレディゴー(父サウスヴィグラス、母ダッシングハニー)が500万下を快勝し、2勝目を飾っている。

 今年の桜花賞は、ストリートキャップの応援もあって、阪神競馬場で観戦した。単勝1.4倍のソウルスターリングがまさかの3着で、2番人気アドマイヤミヤビも12着に敗れた。「第77回」桜花賞ということで、馬券は両馬の枠番⑦⑦も買ったが、これが大外れ。終わってみればレールミノル優勝、リスグラシューが2着。昨年12月のジュベナイルF(GⅠ)の上位3頭が、桜花賞でも1~3着を独占。3歳馬でもやはりGⅠ実績の重要性を再認識した。

 ゴール前では、粘り込むレールミノルに騎乗した池添謙一騎手の名前を連呼し、単勝や3連単をゲットしたという熱烈ファンが歓喜の「池添、ありがとう」。競馬場の桜も満開となった華麗な一戦。「強い女」のイメージからか、レスリングの吉田沙保里さんがプレゼンターを務め、「桜の女王」レールミノルと池添騎手の栄誉を祝福した。

 皐月賞(16日・中山)は混戦ムード。ディープインパクト産駒の牝馬ファンディーナ(岩田康誠騎手)が果敢に挑戦。1948年のヒデヒカリ以来、牝馬69年ぶりの快挙を狙う。今年は、牝馬のレベルが高く、牡馬を蹴散らす可能性もある。川崎競馬出身のトラストは掲示板を外したことがなく、展開次第では面白い存在。地方競馬出身馬として頑張ってほしい。

 ここ5年では、前走・共同通信杯組の4頭が、全て皐月賞を勝っている。昨年は注目馬ディーマジェスティが制覇しており、今年も共同通信杯優勝馬のスワーヴリチャードが有力。朝日杯FS(GⅠ)覇者のサトノアレスに、トライアルを勝ったアダムバローズ、ウインブライト、カデナも上位候補。皐月賞は、やはり最も速い馬が勝つ。