談笑する留学生と留学経験のある在校生たち=瑞浪市稲津町萩原、麗澤瑞浪中学・高校
海外の語学講師とマンツーマンで会話する生徒=同

国際交流室設置「話す勇気」身に付ける

 瑞浪市稲津町萩原の麗澤瑞浪中学・高校の放課後。国際交流室に集まった中学生たちが、一人一人パソコンのモニターを通し、外国人講師と英語で活発に会話していた。昨夏にオンラインによる英会話システムを導入した直後は、生徒たちは緊張して言葉を発することもできなかったというが、約半年が経過し、ニュージーランド出身のディーン・ラビット講師は「自信を持って話せるようになり、生徒のモチベーションも上がってきた」と語る。

 ニュージーランドやオーストラリアなどに姉妹校を持つ同校は、従来から年間を通じて交換留学を実施しており、一部の授業を一緒に受けるなど、実生活で異文化や日本文化の理解を深めている。留学生の拠点として2016年9月に国際交流室を設置。現在はオーストラリアと台湾の生徒が学んでおり、在校生との交流の場にもなっている。

 オンラインの英会話では、フィリピンの語学教師からマンツーマンで、スピーキングトレーニングや「GTEC」などの検定対策など、個々のレベルに応じた授業を約30分間受講する。始めは緊張していた生徒たちも、笑い声を上げて会話を楽しむまでになった。中学3年の河野太郎君(15)は「10月にあったオーストラリア研修に向けて始めたけれど、初対面の外国人と話す勇気がついた」と語る。

 もともと留学経験者の能力の維持を目的に20人程度での実施を予定していたが、現在の受講生徒は約65人。柳瀬仁志教諭は「話せる英語力を身につけてほしい。人としてどうあるべきか、南半球のことも考えられるグローバル意識と人間力を高めるきっかけになれば」と意図を語る一方、「大学入試を見越した中学生の保護者の反響が思った以上に大きかった」と驚きも見せる。

 小中高校の英語教育を巡っては、「読む・聞く・話す・書く」の4技能を重視した国の教育改革が進められ、大学入試に民間試験を活用する動きもあるなか、生徒や保護者の意識も変わってきているという。さらなる参加希望者が多いため、新年度からは授業の枠を増やして対応する。

 今後は、オーストラリアの高校と遠隔での合同ホームルームなども予定しており、柳瀬教諭は「海外に行っても相手と対等に物を言える力を身につけてほしい」と期待を寄せている。