医療機関でPCR検査後に提示された書類

 「食料品は到達困難な人のみに配達してますが、必要でしょうか?」

 新型コロナウイルスに感染した筆者に23日、自宅療養を支援する組織から電話が入った。十分足りているので断ったが、流行「第6波」で読んだ記事とは違う逼迫(ひっぱく)具合を実感した。周囲で同様のやりとりが繰り広げられているのだろうか。通話も聞き取りにくかった。「第7波」にのまれた自身に後悔しつつ、身近に起こりうる感染や現場の苦難を肌身に感じた。

 「発熱外来に行ったところ、陽性と分かりました。すみません。気を付けてください」。

 7月の3連休中に届いた無料通信アプリ「LINE」のメッセージに目を疑った。送り主は西濃地域の飲食店での同席者だ。

 慌てて県のホームページで濃厚接触者の定義を確認すると、「1メートル以内で必要な感染予防対策なしで15分以上の接触があった場合」。そっくり当てはまるではないか。

 まさか自分が…。信じられなかった。50代独身、同居人なし。大病もなく、リスクは低いはず。新型コロナのニュースも、遠い世界の出来事ぐらいに考えていた。

 3連休中、検査する機関は少なく、ほぼ自宅アパートで過ごす。最終日の夜、37度台の発熱や咳、頭痛に見舞われた。この段階でもエアコンによる夏風邪と考え、検査しても恐らく陰性だろう、と勝手に決め付けていた。

 翌朝には熱も下がって一安心していたら、くだんの同席者から電話が来た。熱が少々出たことを伝えると、「すぐPCR検査受けて」と言われる。他にも周囲に熱が出た人がいるという。

 「検査しなくても大丈夫なのでは」「空騒ぎで周りに迷惑をかけたら」との思いも脳裏をよぎるが、本社に連絡。医療機関で検査を、と指示を受ける。

 最初の医療機関では抗原検査を勧められ、結果は陰性。ホッとしたのも束の間、やはりPCR検査をと本社から再要請があり、検査機関を訪ねると、今度は陽性反応が出た。

 「ヤバい」。初めて自分事と実感した。緊張が走った。その後、医療機関で改めてPCR検査を受けようと、大垣市の基幹病院に依頼したが、いつになるか分からないとの返事。別の医療機関に頼んで検査を行ったが、診療時間終了の午後7時を過ぎても、訪れる車は絶えなかった。その後、陽性が確定。保健所からは28日までの自宅療養を言い渡された。

 ワクチン3回接種の効果だろうか。療養中に発熱や喉の痛みも治まり、食欲も回復した。感染前後の問題行動で、さまざまな人に迷惑をかけたと恥ずかしながらも思う。感染が疑わしい時は、まず誰かに相談してほしい。夏風邪とそっくりな症状にもどうか気をつけて。