アップルウオッチで心電図の測定画面を見せる男性=美濃加茂市健康のまち一丁目、中部国際医療センター
男性を診察する中島孝医師=美濃加茂市健康のまち一丁目、中部国際医療センター

 身体に装着して脈拍などのデータを取ることができる腕時計型のウエアラブル端末を病気の治療に活用する“アップルウオッチ外来”が今月、岐阜県美濃加茂市健康のまち一丁目の中部国際医療センターで始まった。端末が記録する心電図などから病気の兆候をいち早く察知し早期治療につなげる試みで、県内の病院では初という。

 米アップル社の「アップルウオッチ」に代表されるウエアラブル端末・スマートウオッチの普及に伴い、個人でもストレスなく心電図などのデータを記録できるようになったことから、病気の治療に役立てる。

 始めるのは、不整脈治療の専門医で循環器内科の中島孝医師。腕時計型端末は日常的に長時間身に付けることが多く、心電図を連続して記録できる特性を生かす。不整脈の一種である「心房細動」など不規則な心拍の通知が出た際、専門医が確認し、正確な診断が可能となる。端末は個人負担でメーカーは問わないが、端末に警告が出た時に相談できる専門の窓口を設け、早期治療に結び付ける。

 アップルウオッチの警告で治療につながった各務原市の男性(57)。脈拍が測定できることから装着を始めた。脈拍が1分間に最高で180回程度で息苦しくなることがあり、昨年5月、心電図アプリで測定したところ、心房細動と警告されたため、旧木沢記念病院(美濃加茂市)を受診。昨年9月にカテーテルアブレーション治療の手術を受けた。今は回復し日常生活を送っている。男性は「心房細動という言葉を初めて知った。警告を受けなかったら『疲れてしんどいだけ』と考え、受診しなかった」と体験を語る。

 中島医師は「心房細動は自覚症状が無い場合もあり、脳梗塞などを引き起こす厄介なもの。早期発見で治療する機会になれば」と話す。アップルウオッチ外来の診察時間は月曜日と水曜日の午前。