生き残った魚を網ですくい上げていく山田和位店長=5日午前11時12分、土岐市肥田浅野朝日町、つりぼり本舗
酸素が無くなり、水面に浮き上がった状態で見つかった大量の魚=土岐市肥田浅野朝日町、つりぼり本舗(山田和位さん提供)

 岐阜県土岐市肥田浅野朝日町の「つりぼり本舗」で3日朝、水槽で約3千匹もの魚が死んでいるのを店長の山田和位さん(48)が見つけた。2日未明に店に侵入した何者かが募金箱の現金を盗んで電気配線を切り、水槽に酸素が送られなくなったことが原因とみられる。多治見署は窃盗容疑事件として捜査している。

 2017年7月に店をオープンし、コイや金魚、チョウザメなどを大切に育ててきた。「サイズの大きさが自慢。釣りは引きが命で、大きくて引きが強い魚を釣る難しさを楽しんでもらっていた」と振り返る。

 犯人は、定休日だった2日未明に店舗のドアのガラスを割って侵入。数千円が入っていた募金箱から現金を盗み、電気配線を切断するなどしたとみられる。

 山田さんは「これまで大切に育ててきた大事な魚たちで、従業員を殺されたようなもの。とても心の整理ができない。食べられず、眠れない」と落胆。今回の事件に加え、コロナ禍で客足が遠のいていたこともあり、「先が見えない。このまま廃業も考えてしまう」と胸の内を明かす。

 その一方で、事件はニュースサイトや交流サイト(SNS)で反響を呼び、応援したいという声が多く寄せられた。山田さんは「クラウドファンディングのやり方も分からないが、心が落ち着いたらいろいろ勉強してみたい」と話す。

 被害は魚代だけで数百万円になるという。夏休みやお盆で帰省する子どもたちを迎えるために準備していた中の出来事で、「犯人は許せない。酸素が無くなる苦しさの中で死んでいった魚にわびてほしい」と語気を強める。