ビルの屋上に密集するカラス=2日午前5時30分、岐阜市金町

 岐阜市の中心市街地で増加するカラスに、住民が不安を募らせている。昨年11月に同市金町の金公園付近で実施した生息調査では、4000羽以上が集まっていると推測される。餌となる栄養価の高い生ごみが町に増えたことが原因とみられ、道路のふん害やごみが荒らされる被害をはじめ、食べ物を持って歩く通行人が襲われそうになった事例もある。町中にカラスが密集する中、市は今冬から個体数を減らす対策に乗り出す。

 「金公園の遊具にカラスが止まるのを見ると、衛生的に気になるし、子どもだけで遊ばせるのは怖い」。長女(4)と長男(2)を連れてよく訪れる女性(30)は園内に落ちたごみをつつくカラスを見ながら心配そうに語る。

◆生ごみ増え生息数も増加

 市環境政策課の調査によると、カラスは日中、巣のある金華山や百々ケ峰周辺にいるとみられ、町中ではほとんど姿が見られないものの、夜明け頃や夕方になると、ねぐらになっている樹木やビルの屋上に集まってくるという。

 岐阜駅周辺の商店街や飲食店街にも頻繁に出没する。柳ケ瀬商店街の青果店では、軒先に陳列していた果物が持ち去られる被害があった。県内屈指の繁華街「玉宮地区」で飲食店を営む50代女性は道路や車を汚されるたびに掃除しており、「雨が降ると嫌な臭いがしてかなわない。最近は人慣れもしてきている」と語る。

 同課によると、市の中心市街地でここ数年、ごみが多くなり、ひなに安定して餌を与えられるようになったことで、栄養不足で死ぬカラスが減ったとされる。子育て期間の11月~翌年2月ごろに最も飛来するとみられる。

◆市は捕獲わなで徹底抗戦へ

 市は12月から本格的なカラス対策を始める。捕獲用のわなを来年2月まで、市文化センター(金町)、岐阜高島屋(日ノ出町)、ドン・キホーテ柳ケ瀬店跡地(徹明通)の3カ所の屋上に設置する。対策はこの時期に3~5年の間、毎年行う計画。また、市文化センターの屋上にはカラスが嫌がる臭いを発する忌避剤や微弱な電流が流れるワイヤを設ける。ねぐらになっているとされる金公園内の街灯や樹木にも忌避剤を置く。

 2002年からカラス対策を実施している東京都は、当時、都内に約3万6千羽いたとされる個体数を現在、1万羽弱まで減らすことに成功した。市は都と同様の捕獲とごみの削減を両立させる対策を取る。同課の担当者は「カラスと人の適正な距離が保てていない状況にある。カラスを捕獲することで、美しい住環境の維持に努めていきたい」と話した。