夏でも涼しい岐阜県の飛騨地域は、牛の飼育に適する。農家と工場の距離が近く、新鮮なまま処理するため、口当たりはさらっとしつつもこくがある。子どもからお年寄りまで、幅広く親しまれる。

 高山市と下呂市の酪農家でつくる飛騨酪農農業協同組合のブランドで、地域団体商標に登録。高山市が認定するブランド「メイド・バイ飛騨高山」の品でもある。飛騨の乳牛飼育は、1882年に永田吉右衛門と森七左衛門が創業した「高山町盛乳舎」により始まった。当時は、乳幼児や病人の栄養補給のための薬という考えが強かったようだ。1929年には三福寺牛乳販売購買利用組合が設立され、生産の主体が一般の農家に広まった。

 飛騨地域の豊かな自然と気侯の下、2019年度には15戸が1100頭ほどを育て、年間約9500トンの生乳を生産している。組合は近年、新しい工場を稼動させるとともに、食品衛生管理の国際基準「HACCP(ハサップ)」を取得した。