東征伝絵巻をひもときながら、鑑真と栄叡について語る石田太一執事長=岐阜市大宮町、市歴史博物館

 岐阜市歴史博物館で開催中の特別展「波濤(はとう)を越えて―鑑真和上と美濃の僧・栄叡(ようえい)―」に関連した講演会が3日、同市大宮町の同館で開かれた。唐招提寺の石田太一執事長が、鑑真の生涯について描かれた「東征伝絵巻」をひもときながら、「栄叡大師の資料は少なく、美濃出身であること以外、人物像はほとんど分かっていない。その姿を一番多く物語っているのが東征伝絵巻」と紹介した。

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 鑑真は、奈良時代に5度の失敗などの苦難を越えて唐から来日。栄叡は、唐に渡り、日本と鑑真をつないだ。東征伝絵巻は、唐招提寺が所蔵する長さ87メートルに及ぶ絵巻物で、国の重要文化財に指定されている。特別展では第一、三巻の一部が展示されている。

 石田執事長は、2人の出会いの場面について、鑑真は栄叡に、日本と中国が有縁であるエピソードを挙げながら「必ず弟子を日本に送る」と語り掛けたと紹介。しかし、4万人の弟子が誰も日本行きを志願しなかったので「自ら行くことを即座に決断された」と語った。

 5度目の航海で東シナ海を漂流し、船がトビウオやアホウドリに囲まれる場面や、道中で栄叡が亡くなった場面についても解説。2人の命懸けの行動の原動力は「フロンティア精神と強い好奇心を持ち続けたこと。皆さんも『現状でいい』と思わないで、常に自分の心の働きを広げる場所を求め続けてほしい」と語り掛けた。

 特別展は岐阜新聞社 岐阜放送と岐阜市でつくる実行委員会が主催。23日まで(4、8、15日は休館)。