岐阜県不破郡垂井町の東部にあります。県無形民俗文化財の表佐太鼓が有名です。

 平安時代の辞書には「遠佐郷(おさごう)」が記されており、歴史ある地名とみられます。由来は複数の説があるようですが、渡来人系の曰佐(おさ)氏ゆかりの地で、通訳にちなんでいるとの説が有力視されています。根拠はさまざまありますが、そもそも「佐」は「たすける」との意味もあるので、曰佐は「言う(曰う)ことを助ける」で、表佐は「表すことを助ける」。翻訳や通訳がぴったりといえそうです。

 丸山幸太郎著「ぬくもりの岐阜地名」は、表佐での字(あざ)の分布を詳説しています。「山田」や「高田」のほか「仲街道」や「鐘鋳(かねい)場(ば)」など田や道路の配置、職人の状況といった当時の地域の姿を多角的に分析・考察しており、表佐の特徴を「一つの村落としてのまとまりをよく保ってきている」としています。

 

【答え】おさ