スクミリンゴガイ(通称・ジャンボタニシ)の研究を小学1年生から続ける岐阜市の中学1年生、髙木志埜(しの)さん(12)。卵の色素のピンクを生かす取り組みを通じて、絵画作品が完成した。描いたのは、安八郡安八町出身で世界を舞台に活動するステンシル画家ロームカウチ(本名・小川亮)さん。志埜さんをモデルにした少女に卵のピンクが使われており、「研究を通じてSDGs(持続可能な開発目標)につなげたい」という志埜さんの願いや信念が重ねられている。

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vvスクミリンゴガイ(通称・ジャンボタニシ)の研究を小学1年生から続ける岐阜市の中学1年生、髙木志埜さん。卵の色素のピンクを生かす取り組みを通じて、絵画作品が完成した。描いたのは、岐阜県安八郡安八町出身で世界を舞台に活動するステンシル画家ロームカウチさん。志埜さんをモデルにした少女に卵のピンクが使われており、「研究を通じてSDGs(持続可能な開発目標)につなげたい」という志埜さんの願いや信念が重ねられている。1年前に岐阜新聞社に届いた志埜さんの手紙から始まった「ジャンボタニシと志埜さんと私たちの日々」。 “夢かなえ隊”として志埜さんの夢を応援しようと、一人また一人と“隊員”は増え、その輪は広がっている。ピンクの卵が生み出す未来、さらなる夢を追う。
 

 取り組みが広がるきっかけは昨年、小学6年生だった志埜さんが岐阜新聞社に手紙を送ったことからだった。ジャンボタニシの卵のピンク色を使って化粧ネイルを作ることを夏休みの研究課題にした志埜さん。「ジャンボタニシは外来種で、稲を食べてしまう害虫として駆除されるが、人の都合で悪者にしていいのだろうか。駆除で農家の人を助け、さらに役立つものを作りたい」と思いがつづられていた。

 〝夢かなえ隊〟として志埜さんの夢を応援しようと岐阜新聞社が呼びかけ、教育者、農家、旅行作家らが支援の手を差し伸べた。〝隊員〟のサポートもあり、志埜さんは卵から抽出したピンクの粉を使ってネイルを見事完成させた。その間、研究の過程で伊藤健吾岐阜大応用生物科学部准教授に出会い、卵に含まれるという神経毒を活用した防虫剤も作りたいと考えるようになった。

 さらに卵でピンクの絵の具を作ろうと挑んだものの紙にうまく着色せず断念していた。しかし昨年末、ロームカウチさんに志埜さんの夢の話が伝わった。仲介したのはロームカウチさんと同郷の安八町で米も作る旅行作家・イシコさん。イシコさんはネイル作りで卵が足りなくなった時、卵を調達してくれた人だ。ロームカウチさんは「子どもたちに自分の好きなことで世界に挑戦してほしい。作品を通して人と人、今を未来につなげる手伝いがしたい」と志埜さんが抽出した粉末色素を使って少女の絵を完成させた。モデルは志埜さんで、頬の部分と、ウメの花に卵のピンクが施された。

 作品には「本美濃紙」が使用された。本美濃紙の技術は国の重要無形文化財であり、ユネスコ無形文化遺産にも登録されている。薄い和紙ではロームカウチさんが使う塗料に耐えられないため、美濃竹紙工房(美濃市)の鈴木竹久代表に依頼して漉(す)いてもらっていた、本美濃紙の中でも特に薄い「薄美濃」を6枚合わせた〝特別仕様〟が、志埜さんの夢を描く素材に活用された。

 志埜さんからの手紙が岐阜新聞社に届いてから1年。記されていた思いに人が集い、輪を広げ、新たな夢の形へと発展・深化している。今夏、志埜さんはロームカウチさんの紹介で和紙職人の鈴木さんに会う予定で「伝統工芸とのコラボも楽しそう」と、ピンクの卵が生み出す未来、さらなる夢を思い描いている。