【準々決勝 大垣日大5―4岐阜第一】
 「ただ強いだけじゃなく、ほんまに強い」。岐阜第一の田所孝二監督がうなった大垣日大の〝真の強さ〟の源こそ、再登板で見せたエース山田渓太の気迫の投球だ。「最後は気持ちだけだった」と汗をぬぐうエースの豪腕が1点差の激戦での勝利へといざなった。

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大垣日大×岐阜第一=大垣日大のエースとして2度マウンドに上がり、チームのピンチを救った山田=長良川

 大垣日大もう一つの強さの象徴が長打力。準々決勝では3番米津煌太が2本の本塁打を放ち、試合を優位に進めた。今大会23本出ている本塁打のうち、大垣日大がダントツの5本。だが、ダークホース岐阜第一の粘りも驚異的だった。

 八回裏、2点差となった2死三塁、岐阜第一代打の切り札の1年・永安弘和が登場という場面で、大垣日大の阪口慶三監督はエース山田再登板のカードを切る。いきなり右適時二塁打で1点差とされ、その後も四球、中前打と追い詰められたが、ここからが山田の真骨頂。期待の1年生3番水野匠登相手に140キロ超えのストレートで押しまくり、最後はこの日最速の142キロ。九回も山田の勢いは止まらない。140キロ超え連発で3人で切って取った。

大垣日大×岐阜第一=最後の打者を打ち取り、仲間と勝利を喜び合う大垣日大の山田=長良川

 「自分の持ち味はまっすぐの強さ。しっかり投げ切ることができた」と声を弾ませるエース。「次からもしっかりやるべきことをやった上で、最後は気持ち」と力強く勝利宣言。頂点まであと二つ。山田の豪腕が大垣日大5大会ぶり夏の甲子園への最大の鍵を握っていることは間違いない。