岐阜県各務原市の航空自衛隊岐阜基地。訓練のため離陸する戦闘機のエンジンが発するごう音の中、「ブーン」というプロペラの音が聞こえてきた。その正体は、機体正面にプロペラを備えたT-7練習機。どんな機体なのか気になり、基地を訪ねた。
岐阜基地のT-7は、試験飛行操縦士課程の学生教育やパイロットの技量維持訓練に使われており、平日はほぼ毎日飛ぶ姿が見られる。「T-7は、パイロットが最初に操縦する飛行機だが、きれいに飛ばすのが難しい。繊細で奥が深い飛行機です」と語るのは同基地のパイロット。少しの操縦の違いが機体に直接伝わる。そんな繊細さを持つ機体が、パイロットの技術を支えている。
エンジンが起動すると、プロペラがゆっくりと動き出し、間もなく回転は高速に達する。近くで見ていると、プロペラ独特の力強い音と風に体が揺らされる。周囲に響かせる音と風は、まるで「これから飛ぶぞ」と機体が意気込んでいるようにも聞こえる。小さい機体ながらも、エンジンとプロペラの音をとどろかせ、青空へ飛び立つ姿はたくましかった。
【memo】
岐阜基地の飛行開発実験団は、航空自衛隊の航空機試験や飛行試験操縦士らの訓練などを担う。ベテランのパイロットや整備士が集まり、配備する航空機も初号機や試作機がそろう。対戦闘機戦闘訓練をはじめ、テストパイロットとして必要な技量や能力を向上させるための飛行が行われるが、飛行場周辺では高出力飛行を最小限にとどめるなど騒音対策を講じて訓練が行われている。

















