チャリティーオークションで、勝負服を手にする佐藤友則騎手(右)。東川公則騎手(中央)、吉井友彦騎手
重賞を初制覇したキングズガードの記念キャップは人気を集めた
菊花賞の予想を行う一岡浩司さん(中央)と高柳誠二さん(左)
ミニチュアホースに乗ったりして、触れ合いを楽しむ子どもたち

 所属騎手たちも参加して、雨空を吹き飛ばす熱気。競馬場内を開放した第2回「笠松競馬秋まつり」は、台風21号の影響で「重馬場」での開催となり、一部イベントが中止になったが、家族連れや若者グループらでにぎわった。

 初日には、笠松競馬所属騎手サイン会が行われ、名古屋競馬の宮下瞳騎手、木之前葵騎手も飛び入り参加。快くサインに応じ、ファンとの交流を深めた。2日目は、メインステージでチャリティーオークションをはじめ、FC岐阜やSKE48の公開録音(ラジオ番組)も行われ、盛り上がった。

 チャリティーオークションでは、東川公則騎手、佐藤友則騎手、吉井友彦騎手の3人がステージに登場し、競馬タレントの神田舞さんがお手伝い。地元騎手たちの「お宝グッズ」を求めて、ファンたちの威勢のよい掛け声が飛び交った。オークションの収益は、関係機関を通じ、震災で被災された馬産業に携わる方々に寄付される。

 JRA関連では、地元出身の寺島良調教師が「キングズガード重賞V」の記念キャップ(3個)を提供。千円からスタートすると、予想以上の高値で落札され、場内は「熱気モード」に突入。壇上の3騎手からは直筆サイン入りの勝負服、ブーツ、ゴーグルなどが出品された。

 騎手リーディングのトップを走る佐藤騎手の勝負服は、やはり1番人気で高値を付けた。東川騎手、吉井騎手もファンとの記念撮影に応じながら、レースで愛用したグッズを惜しみなく手渡していた。重賞勝ち馬のハイジャやグレイトデピュティのゼッケン、笠松出身の安藤勝己元騎手のジョッキーズパンツなども出品され、ファンの掛け声が響いた。この日は佐賀で西日本ダービーも行われ、笠松から参戦したグレイトデピュティ(島崎和也騎手)は4着と健闘した。

 菊花賞の予想ステージ(2日目)には、一岡浩司さん(笠松競馬予想屋)、高柳誠二さん(競馬予想博士)が出演した。テレビ番組でも活躍する高柳さんの予想は、◎ダンビュライト(4番人気)、○クリンチャー(10番人気)、▲キセキ(1番人気)。そしてポポカテペトル(13番人気)には注目(◎の上に×)の印が...。

 菊花賞のレース結果は、①キセキ②クリンチャー③ポポカテペトルで、3連単55万円の大波乱となった。高柳さんは、▲=○で馬連の万馬券が的中。さらに、ポポカテペトルも大当たりか。これまで見たこともない不思議な印(◎に×)だったが、実はスタッフが書き間違えたものだった。◎の印を、ダンビュライトの隣の枠のポポカテペトルに打ち、慌てて×印を打ったものでした。

 キセキが勝ち、高柳さんの予想も結果的にはミラクルな印となった。個人的には3連単で勝負し、クリンチャーから手広く買ったつもりが、ポポカテペトルは抜けてしまった。マークカードでも書き損じた馬が、馬券に絡むことはよくあること。この日の印は何かのサインだったのかも。一岡さんもクリンチャーに▲印を付けており、人気の場立ち予想屋としての意地を見せてくれた。

 午後からは、SKE48のメンバー3人がステージへ(撮影は不可)。笠松競馬場デビューの印象は「独特の雰囲気ですねえ。(内馬場に)お墓もあって、墓参りに来る人もいらっしゃるそうで」と、昭和レトロ感が珍しい様子。「競走馬が走るスピードは?」の質問に「500キロ」(実際は50~60キロ)と答える一幕もあった。

 メンバーのうち、お姉さん的な存在の松村香織さんは、スポーツ紙でもJRAの予想コラムを連載するほどの競馬通。ステージに上がった山下雅之騎手、渡辺竜也騎手らと、トークショーで盛り上げた。山下騎手には「JRAの池添騎手みたいで、雰囲気がちょっとチャラそう」と突っ込み。渡辺騎手が17歳と聞いて、20代の3人は「若いわねえ」と驚いた様子。それでも初めての地方競馬場に興味を示してくれて、「SKE48の冠レースを笠松でやりたいですねえ」と実現に前向きだった。フレッシュな「女子力」で笠松競馬を盛り上げてほしいものだ。

 この日初めて笠松競馬場へ来たという追っ掛けファンも多かったが、これを機会に競馬場の雰囲気を味わってもらえればいい。今年4月から大型ビジョンも設置され、JRAのレース映像などを楽しむ競馬ファンも多く来場した。場内では、ミニチュアホースとの触れ合いや乗馬体験なども行われ、子どもたちは楽しそうだった。笠松グランプリシリーズの11月23日には畜産フェアも開催されるので、ぜひ来場して秋の味覚も楽しんでください。