県農業技術センターが開発したフランネルフラワーとカレンジュラの新品種=県庁

 岐阜県農業技術センター(岐阜市)は、毛織物のフランネルのような触感の花「フランネルフラワー」と、冬でも可憐(かれん)な花を咲かせる「カレンジュラ(キンセンカ)」の新品種を開発した。いずれも従来と比べて花のボリューム感があり、時期をずらして出荷できるようになった。

 フランネルフラワーは、オーストラリア原産のセリ科の多年草。県が世界に先駆けて鉢花用、切り花用、有色品種の育成に取り組み、全国シェアは95%以上を占める。ただ、切り花用の主力品種は主に春と秋に出荷しており、秋冬でも楽しめる品種を求める声が上がっていた。

 新品種は、既存の品種から冬に開花する系統を選抜し、自家採種を繰り返して完成させた。クリーム色で花の幅が広く大輪なのが特徴で、ぽてっとした姿から「ぽてこ」と名付けた。11月~2月を中心に約3万5千本の出荷増を見込む。

 一方、カレンジュラは、北アフリカ原産のキク科の常緑多年草。これまでに一重咲きの品種「かれんシリーズ」を開発しているが、生産方法が挿し木による栄養繁殖で労力がかかり、技術力も必要だった。また、出荷時期(12月から)の調整が難しかった。

 そこで需要に合わせて計画的に出荷できるよう、種をまいて生産できる品種を新たに作り上げた。オレンジ色の「オレンジパンナコッタ」、黄色の「レモンパンナコッタ」、花びらが黄色で中央が赤紫色の「レモンスフレ」の3品種で、小ぶりな花をたくさん咲かせる。10月から翌年春まで出荷でき、年12万鉢以上の生産増を見込む。

 既に花店などで購入できるという。県農業技術センターの松古浩樹主任専門研究員は「切り花のフランネルフラワーは温かみがあり、カレンジュラはあでやかな色。心を温かくできる花だと思う」と話した。