家庭から出る未利用の食品を回収して福祉施設などに寄付する「フードドライブ」を推進しようと、岐阜県は2022年度、活動を担う行政・団体による推進体制を構築する事業に乗り出す。また、無料で食品を届ける「フードバンク」に規格外の農作物を提供する取り組みも支援する。新型コロナウイルスの影響で生活困窮者が増える中、食品を有効活用しながら支援する体制づくりを進める。

 農林水産省によると、国内でまだ食べられるのに捨てられる「食品ロス」の推計値は570万トン(19年度)に上り、うち家庭からの発生量は46%を占める。だが、県内でフードバンクを掲げるNPOは1団体のみ。食品の提供を受けて支給している県社会福祉協議会への提供者は、事業者に限られている。

 県が現在、策定を進めている「県食品ロス削減推進計画」では孤独・孤立対策の一環としてフードドライブを重要視している。そこで、市町村や関係団体と連携しながら、運搬や衛生面を考慮した回収拠点を整備し、子ども食堂などに食品を届ける取り組みを支援。22年度はモデル的に実施して結果を分析し、23年度以降に各地で本格的に事業を展開するためのマニュアルを作成する。

 規格外の農産物の活用促進については、既にJAグループが直売所や出荷団体から子ども食堂や児童養護施設に食材を提供しているが、県は定期的で安定した供給体制を構築するための経費を補助する。

 一方、子どもの居場所づくりを支援するため、子ども食堂などの運営団体と、サポーターとなる企業やボランティアなどをマッチングする組織の創設も検討している。県は「部局をまたいでオール岐阜で支援する体制を整備したい」としている。