名鉄グループは、グループ全体でデータを活用したマーケティングに力を入れている。IC乗車券やポイントカードなど、グループ各社に日々蓄積される顧客データを「資産」として活用する。地域の生活や観光に根差したグループ各社が、データを活用して事例を積み重ねている。これらを発表して優れた事例を共有するイベントが名古屋市で開かれた。その手法の一端を学ぼうと、発表の場を取材した。

名鉄グループ各社がデータ活用の事例を紹介した。東濃鉄道による発表=名古屋市

 会場は名古屋・栄のナディアパーク。カジュアルな雰囲気で行われた事例発表イベント「MIDI's Fes.」は、昨年に続き2回目の開催だ。「MIDI」は、「名鉄グループ統合基盤プロジェクト」の英語表記の頭文字をつなげた造語。2020年の11月から「ミディ プロジェクト」(MIDI-PJ」を進めている。顧客データなど複数のデータを基軸に、判断基準としていく「データドリブンマーケティング」と呼ばれる手法を推進している。2021年3月に打ち出した中期経営計画でも、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進を重点テーマの一つに掲げる。

 今年は11社が申し込み、8社が発表した。8社は東濃鉄道と名鉄協商、名鉄観光バス、名鉄百貨店、名鉄観光サービス、中央アルプス観光、名鉄クリーニング、豊橋鉄道。このうちPROGRESS部門での発表だった豊橋鉄道を除く7社の中から最優秀賞を選んだ。選出は会場の参加者と、リモート視聴している各社社員の投票によった。...