池田山から望む濃尾平野の夜景=揖斐郡池田町
堀島行真選手への応援メッセージが書き込める黒板。本人からのコメントも寄せられている=池田町片山、道の駅「池田温泉」

 広大な濃尾平野の最北端に位置し、揖斐川などが流れ、地域のシンボルでもある池田山(標高924メートル)が西にそびえる岐阜県揖斐郡池田町。自然や文化、歴史を育みながら、山麓を中心に温泉やキャンプ場、景勝地があり、町民の心と体を癒やしてきた。都市部へのアクセスが良好で住みやすい町では近年、スポーツ界での活躍や、地域活性化に向けて取り組む若者の姿も目立っている。

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 車で20分ほどかけて山道を上ると、濃尾平野が眼下に広がる。池田山は名古屋市の高層ビルや御嶽山、中央アルプスなどを一望できる。夜景は東海地方でもトップクラスで、山麓には桜の名所の霞間ケ渓(かまがたに)や、大津谷公園キャンプ場などがあり、四季を体感できる観光スポットだ。

 そんな自然に囲まれた場所にあるのが町営温泉施設「池田温泉」。1996年に本館、2003年に新館がオープンし、泉質の良さから県外からの利用者も多く、今年1月には延べ1200万人を達成した。町広報紙(3カ月に1回)には2人まで利用できる入浴券がついており、22年の入浴者約26万人のうち、町の人口以上の2万5千人が利用した。毎週通っているという町内の男性(85)は「湯冷めしにくく、健康の維持につながっている。町自慢の温泉です」と笑みをこぼす。

 町を挙げて応援する、町出身で北京五輪フリースタイルスキー男子モーグル銅メダルの堀島行真選手の活躍が目覚ましい。メダル獲得後の凱旋(がいせん)には、約500人の町民が出迎えて祝福した。農産物直売所や足湯などがある道の駅「池田温泉」には、堀島選手を応援する黒板が設置され、「行真ファイト!」「池田の星」とエールが寄せられている。堀島選手は先月、「良い結果と頑張っている姿を見せられるよう精いっぱい滑ってきます」と感謝の言葉を書き入れた。

 また、若者の取り組みでは、町と池田高校が交流サイト(SNS)を活用して高校生目線で町内の風景や魅力を発信する「池田イケてんだプロジェクト」を始めている。インフルエンサーを招いた講習会を開くなど、写真の撮影方法や投稿のこつを学び、今月行われたみの池田ふるさと祭では、メンバー3人が地元の般若踊りやききょう太鼓、来場者の様子などをテーマに、動画と写真を撮影した。友人に誘われプロジェクトに参加した2年生(17)は「取り組みを通じて、今まで知らなかった池田町の魅力に触れている。自然豊かで、活気があるところを今後も投稿したい」と目を輝かせた。

 大垣市まで12キロ、岐阜市までは20キロで、名古屋市には1時間程度で行くことができる通勤圏内である一方で、緑豊かな自然にあふれている。町民に聞くと「田舎でも、都市でもない。ほどほどで、ちょうどよい町が池田町」と魅力を語ってくれた。町は地域の交通機関と連携しながら、コンパクトなまちづくりを進めている。国内全体で人口減少が進む中、「持続可能な町」に向けた先導者として、今後の取り組みに期待が高まっている。