―昨年を振り返って。

 当社はグレーチングと呼ばれる道路側溝の鋼製溝ぶたや土木関連の金物の製造がメイン事業です。一昨年9月に物流センターを新設したことで、これまで倉庫として使っていたスペースを第2工場として土木金物の専用工場にし、昨年から本格稼働させました。すると生産性が2割ほど上がり、残業の抑制につながりました。

 商品開発においては、今後の国土開発の環境を見据えて脱炭素・防災減災・維持修繕分野で、工事現場の生産性を飛躍的に高める独自商品の開発に力を注いでいます。コロナ禍に開発した商品は、認知活動に恵まれないのが悩みでしたが昨年は大型の展示会に出展し、そこで新たな顧客とつながることができた点は満足しています。

 営業においては、SNSを活用したマーケティングに力を注ぎました。独自の製品や工法などをユーチューブのショート動画などでアップしていますが、500万回以上視聴されているものが複数あり、認知から実際の仕事につながるなど大きな成果となりました。

 ―インフラの老朽化については。

 50年ほど前にできたインフラは寿命を迎えつつあります。しかし人手不足や工事費の調達が困難な状況です。少ない人員、圧倒的に短い工期で側溝修繕ができる独自工法「リフタス」を一昨年開発しました。画期的な工法で注目を浴び、特にトンネル内の工事で採用が加速しています。

 ―今年の抱負をお願いします。

 設立50周年の節目を迎え、金物の加工から表面処理まで一貫して生産できるという当社の強みを十分生かした新たなビジネスモデルを立ち上げます。これからの国土開発に役に立つ土木金物を外部と協力して次々に生みだすイメージをもっていますが、なんとか成功させ次の50年につなげていきたいと考えています。