―昨年を振り返って。

 ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエルとの紛争が激化しました。本学は建学の精神に立脚し、ウクライナからの避難学生5人を、またアフガニスタンからも政治的な理由で避難を求めた学生を受け入れています。一日も早い停戦と、世界の恒久平和を祈るばかりです。

 ―コロナの教育への影響は。

 高校、そして大学と学生時代にコロナ禍を経験したことで、学生の価値基準が変容したように感じます。われわれもコロナで学んだリモート型の教育手法を残しつつ、時と場所を選ばない多様な学びにも対応できる教育手法を導入すべきと考えています。

 ―教育の成果を教えてください。

 コロナ禍でも辛抱強く学修を継続した学生は、それぞれ夢を具現化しています。直近の看護師、歯科衛生士国家試験では現役学生が全員合格を果たし、県内トップの成績を残してくれました。昨年11月に発表された公認会計士試験においても4年生4人、3年生3人の計7人が現役合格しました。彼らの多くが岐阜県出身者である、という点も強調しておきたいと思います。

 ―学費を値下げしたそうですね。

 世界的なエネルギー価格の高騰、物価高や進行する円安を背景に、わが国の経済は厳しさを増しています。その中でも歯科医師や看護師を目指す若者の夢を支えるべく、今年4月入学生を対象に、さらなる学費の値下げを断行しました。今後も多くの方々に、学びの機会を提供していきます。

 ―今年の目標をお聞かせください。

 私ども朝日大学は、これまで支えてくださった地域の皆さまに感謝し、今年も教育の原点に立ち戻って丁寧な教育に努めるとともに、医療を通じた社会貢献にも取り組んでいきます。皆さまとともに、コロナ後の世界を創造していきましょう。