-昨年を振り返って。

 アピグループ全体で中長期目標に掲げてきた売上高500億円を達成することができました。社長就任から振り返ると倍増で、成長分野の医薬品だけでなく、長年培う蜂産品を含む健康食品が伸びています。社員の努力はもちろん、市場のニーズを的確に捉え、お客さまに見合った企画提案を進める「API,S ODM(相手先ブランドでの設計、生産)」に力を入れてきた成果だと感じます。利益面は原材料高や先行投資もあって目標値には届きませんでしたが、市場環境に対応しながら事業を進めることができました。

 -健康食品分野について。

 新型コロナウイルスの感染拡大が収束し、海外向けが伸びています。全体ではドリンク剤が好調です。ドリンク剤は固形剤よりも摂取しやすく、充てん方法も内容量に合わせて瓶やペットボトル、ブローパック、スティックタイプとさまざまです。当社のものづくりの強みを生かし、お客さまの悩みや課題に応えています。

 -2024年の目標は。

 24年8月期のスローガンには「変化を見極め 果敢な挑戦で 未来をつくる」を掲げました。コストアップの懸念材料がいくつもあり、中国市場の動向も読めない中で、挑戦し続けることが大事だと思います。23年8月期に成果が表れたのは種まきを地道に続けてきたからこそです。中期経営目標を策定し直していますが、若手の思いや知恵を反映させたビジョンにしたいです。

 -今後のバイオ事業について。

 会社としてバイオ事業の推進と、バイオ技術者の育成は必要不可欠です。その中でも、国産ワクチンの供給体制を整えることが国策としてありますので、長期的な視点で考えており、当社としては粛々と進めていきます。