-昨年を振り返って。

 6月に社長に就任しました。新たな挑戦の日々で感謝と責任を胸に取り組んでいます。コロナが一段落し、民間工事も徐々に増加する中、厳しい受注競争が続いています。一方で一昨年に円安の影響で苦戦した海外事業は、対応策を整えたことで無事受注が上向きに。業績も回復する見通しです。

 -海外事業について。

 主に大洋州や中東、アフリカ地域の開発途上国のインフラ整備を、政府開発援助(ODA)として行っています。途上国の現場ではそれぞれ異なる環境への対応力が必要です。これを当社は約40年積み重ねてきました。昨年も施工を担ったパプアニューギニアのナザブ空港整備が完了し10月に開港。両国友好の印として「ナザブ・トモダチ国際空港」と命名されました。

 また、工事施工を機に交流を続けてきたツバル政府より、継続して同国の名誉領事を引き受けてほしいとの依頼を受け、当社の海外支店に在東京ツバル名誉総領事館を設置しています。

 -注力したいことは。

 人材の確保と育成です。国内外の社会インフラを支えるこの仕事の魅力を広く伝えたいです。採用では社員が各出身校に訪問するなど地道な活動を通じて、全国的な知名度の向上を目指しています。育成では学ぶ機会の提供はもちろん、社員が社に愛着を持てる取り組みをしていきたいです。今年新調するユニフォームは社員の意見を取り入れ、デザイン性を重視しています。

 -今年の抱負を。

 創立80周年を迎える記念の年。業績は回復傾向ですが、残業規制の強化で懸念される「2024年問題」への対応が必要です。数年前からDX化などを進めてきましたが、一層限られる時間の中で、いかに若手を育成し、業績を維持拡大するのか。さらなる効率化が必要と考え、しっかり対応していきます。