雪の平湯峠を越え、平湯バスターミナルで休憩をする新宿行きの高速バス=高山市奥飛騨温泉郷平湯

 岐阜県飛騨地域の冬を過ごす上で、必ず関わることになるのが雪だ。下呂支局がある下呂市萩原町でも、この冬はすでにまとまった降雪が何度かあり、新年から雪かきに追われた。

 雪が厄介なのは、移動時の妨げになることだ。取材などでの移動で車を運転する際、路面の凍結に細心の注意を払うことになる。それでも車が予期せぬ挙動をし、肝を冷やした経験は何度もある。飛騨地域で初めて過ごした冬、取材で高山市奥飛騨温泉郷を訪れた際には、白くなった路面に恐れをなしながら峠越えをしたことを思い出す。

 そんな道路でも走っているのが路線バスだ。年末に高山市丹生川町の平湯峠付近を通るバスに乗った。高山の市街地でうっすら積もった雪は、標高が上がるにつれ路面も白くなっていった。バスはそんな道も安定して走り抜けていった。JR高山駅前から約1時間。平湯バスターミナルに着くと一面真っ白。約2年前、自分が恐れをなしてハンドルを握っていたときよりも、雪の量は多かったはずだ。

 その後、バスは長野県境の安房トンネルを抜け松本市方面に向かった。真っ白な車窓だったが、居眠りして気付いたら諏訪湖が見えた。それだけ安心して乗っていられた。若干の遅れは出ていたが、自分だったら運転できないような道だったと思っている。

 1月に入り、別の機会に高山市内を訪れた。この日は市街地でも相当の積雪となり、路面も凍結していた。後輪にタイヤチェーンを巻いたバスの姿を見かけた。行き先を見ると、平湯峠を越えるバス。先日よりも過酷な条件の峠を越えていったはすだ。