プロ野球の巨人が新たに創設し、2023年から本格的に始動する女子硬式野球チームの第1期生に内定した吉安清さん=愛知県大府市、至学館大野球場

 「男子に負けないような球を投げて女子野球のすごさを伝えたい」。プロ野球の巨人が新たに創設し、2023年から本格的に始動する女子硬式野球チームの第1期生に至学館高校女子硬式野球部3年の吉安清(せい)さん(18)=岐阜県海津市出身=が内定した。幼い頃は男子に交じって白球を追い続けた。ファンだという“巨人入り”に「自信になる。もっと上手になりたい」と目を輝かせる。

 野球との出合いは小学2年の時。地元の野球少年団で体験するとすぐに夢中になった。中学校でも野球部に入ろうと思ったが、女子部員の募集はしておらず断念。県内の女子軟式野球チームか、硬式野球の「大垣ボーイズ」に進むことにした。「より高いレベルでやりたい」。その思いが強く大垣ボーイズに決めた。

 大垣ボーイズでは、投手と内野手を務めた。当時女子は自身を含め2人。最初は男子のパワーや球速に驚いたが不安はなかった。ボーイズの練習がない平日は、家の畑で素振りや壁当てを1日約3時間。夜は車のライトを照らし、父親からノックを受けるなどひたすら練習に打ち込んだ。

 猛練習の成果は高校に入学すると早速表れた。1年生の時、いきなり女子選手トップレベルの最速127キロをマーク。3年の全国高校女子選手権大会2回戦で4回8奪三振の好投を見せた。注目を浴び、その活躍が巨人入りの決め手の一つとなった。

 野球が大好きで、その気持ちを持ち続けたことがここまで自身を成長させた。一方で「野球は男性のスポーツ」というイメージがいまだに根強いことから「女の子が気軽に野球を始めて、取り組める環境がもっと整ってほしい」と願う。至学館高の鈴木雄太監督(34)は「負けず嫌いでひた向きに努力する選手。強気の投球やボールの切れは男子顔負け」と絶賛する。

 第1期生は、23年のチームの始動まで、ジャイアンツ球場などで練習に励んだり、野球を通して子どもたちの健全育成を図るジャイアンツアカデミーのコーチを務めたりする。

 「ピッチング、バッティング、守備と何でもできる選手になる。人々に感動を与えられるような選手になりたい」と誓う。