小椋唯さんが祖父母と暮らす家を一部改装し、活動拠点としても活用しているカフェ「川の家ゆいまーる」=美濃市長瀬
オンラインで交流する小椋唯さんと外国人技能実習生の参加者ら(小椋さん提供)

 岐阜県美濃市の地域おこし協力隊として活動する小椋唯さん(32)=同市長瀬=が外国人技能実習生の支援団体「NPO法人ゆいまーる技能実習生応援団」を立ち上げ、技能実習生の悩みや困り事を聞き取り、サポートを続けている。地元住民とつながれる場をつくろうとカフェもオープン。「彼らと日本人とのつなぎ役を果たせたら」と話す。

 応援団は小椋さんの活動に賛同した人や知人ら大学生から60代までの10人で設立。フェイスブックに応援団のグループをつくり、協力者を増やしてきた。現在約80人が登録。毎週水曜夜、応援団メンバーと技能実習生が交流できる場をオンラインで設け、近況や悩みなどを語り合う。楽しみながら日本語や日本の文化を学ぶ機会にもなっており、インドネシアのほか、ミャンマーやベトナム、モンゴル、スリランカ、中国など複数の国の出身者が参加する。

 実習生が来日後、日本語や日本の暮らしに不安を抱える現状を小椋さんは見聞きしてきた。

 関市出身で愛知県の短大を卒業後、保育士を経て、沖縄県のホテルや名古屋市のカフェなどに勤務。名古屋市では台湾人らとシェアハウスで暮らした。沖縄での勤務先には外国人も多く、異文化に関心を深めた。

 日本語教師を目指して勉強する中、技能実習生制度の実態などを記した書籍に出会った。より実態を知りたいと、三重県の技能実習生の監理団体に就職。騒音問題など、日本語の理解力不足や文化の違いが多くのトラブルの原因になっていると知った。「日本の慣習を押しつけるだけではいけない。互いに文化の違いを知ることがトラブル回避につながる」と実感した。

 自身の理想と現場で求められる仕事のギャップに悩む実習生の姿や転職したくても一定の縛りがある課題もあった。「制度はすぐに変えられないが、彼らの悩みを聞き、和らげることは今できる。監理団体などが担えないサポートをしよう」と昨年8月に応援団を設立した。

 実習生の多くは日本人との接点が限られ、孤立していることも課題という。そこで、地域コミュニティーとつながる場にしようと、美濃市長瀬の祖父母の自宅を改修してカフェ「川の家ゆいまーる」をオープンした。国籍、性別関係なく異文化が交わる場とする狙いだ。小椋さんは「失踪したり、追い詰められたりする前に対策や予防をすることが大切。コミュニティーで見守り続ける体制を整えたい」と意気込む。