従業員の健康管理を経営的な視点で捉え、戦略的に実践する「健康経営」に取り組む企業が県内でも増えてきています。

 「ぎふ健康づくり応援プロジェクト」では、健康経営に積極的に取り組む企業をシリーズで紹介していきます。

2024年3月7日掲載

高和工業 株式会社(垂井町)
精密機械加工

各社員の仕事の負担を軽減、健康で安定的に働ける職場に

 カーボングラファイト製品の精密加工や特殊処理などを手がける高和工業は、社員が健康で安定的に働けるようにとの思いから健康経営に注力。もろくて壊れやすいカーボングラファイトを取り扱うこともあって繊細な作業が多い上に、各社員が与えられた仕事を正確に行わなければいけないともあり、病気などで欠勤することを避けたいことも取り組みに力を入れる要因の一つとなった。

 毎月、県が発行するミナモ通信など健康に関する資料を社員に配布。作業工程での失敗ができないというストレスを少しでも緩和するために、メンタルケアでは外部機関に相談できる体制を構築した。社員が集まる場で、高木陽一社長が「精神的な負担をかけないように社員を気遣い、何をすべきかを考えている」と言うように、社長自らが率先して健康を呼びかけている。

 また、半年で6日間の休暇取得を認めており、精勤手当を支給。その他にも社員同士の親交を深めるために忘年会や慰安旅行を実施するなどしており、慰安旅行では県外の遠方に出向くこともある。

 高木社長は「健康経営にしっかり取り組むことで、新たな人材を獲得するための好材料になれば」と話す。同社の魅力を「自分でさまざまな機械を使って工夫をしながらものづくりに没頭できるところ。DIYが好きな人に向いているかもしれない」と語る。今後の展望を「仕事で厳しいことに直面することもあるが、少しずつ会社が成長していければ」と思い描く。

【会社概要】
■本社/不破郡垂井町大石617 ■設立/1969(昭和44)年8月 ■代表者/代表取締役 高木 陽一 ■従業員数/18人(男性14人、女性4人)

株式会社 西尾建設(瑞浪市)
建設業

地域に根差した建設会社、従業員の健康を手厚くサポート

 地域に根差した建設会社を掲げ、公共工事を主に手がける西尾建設は、従業員の平均年齢が高くなっている状況などから健康経営に注力するようになり、昨年、経済産業省の「健康経営優良法人」に認定。心身ともにはつらつと働ける環境を整備している。

 スマートフォンを活用して従業員からアンケートを取り、健康状況を把握して職場環境の改善にフィードバックした。年に1回の人間ドックでは、オプションなども含めて費用を会社側で全額負担。再検査を受けに行く日を有休扱いにしている。また、福利厚生として会社が加入している保険を有効的に活用。長期治療が必要な従業員の入院費を会社で負担したり、退院後の治療日を有給扱いにしたりしている。

 精神面でのケアにも配慮し、無料で外部機関に悩みを相談できる窓口を設けた。月に1回の社内安全パトロールでは安全点検だけでなく、従業員同士でしっかりコミュニケーションを取る場にしている。

 また、労働環境の改善や人材育成などに積極的に取り組んでいる建設業者を県が認定する「ぎふ建設人材育成リーディング企業」では、ゴールド、シルバー、ブロンズの3ランクの中で、シルバーに認定。県の公共事業を対象にした優良工事施工者としても、県から10回以上表彰されている。今後の展望について、西尾治徳社長は「体も心も健康であることで働く喜びを感じられる。従業員を柔軟に適材適所に配置して、新たな人材を獲得していければ」と意気込む。

【会社概要】
■本社/瑞浪市稲津町小里787-1 ■創業/1935(昭和10)年 ■設立/1967(昭和42)年10月 ■代表者/代表取締役 西尾 治徳 ■従業員数/12人(男性10人、女性2人)

わたしたちは、ぎふ健康づくり応援プロジェクトに参画しています

●本プロジェクトにご賛同いただけるパートナー企業を募集します。パートナー企業には、健康経営などに関する情報提供や、特集内での健康経営の取り組み紹介などを予定しています。
●「健康経営」はNPO法人健康経営研究会の登録商標です。