委員9人が出席して開かれた市旧庁舎あり方検討委員会=羽島市役所

 岐阜県羽島市の旧庁舎4施設の今後のあり方を協議する市の諮問機関「市旧庁舎あり方検討委員会」の4回目会合が25日、市役所であり、旧本庁舎を解体する場合、解体工事費の見積額は約1億7600万円(設計委託料を除く)になると市側が明らかにした。これまでの市の説明によると、保存のため高度な免震や液状化対策などを行った場合、工事費は32~52億円となる。

 4施設は、羽島市出身の建築家坂倉準三氏(1901~69年)が設計したモダニズム建築として知られる本庁舎と、中庁舎、北庁舎、教育センター。本庁舎は鉄筋コンクリート4階建て(一部5階)の建物を池が囲み、スロープを渡った2階に玄関がある独特の構造で、60年に日本建築学会賞に選ばれた。一方、本庁舎はほぼ全ての箇所で耐震性が国の基準を満たしておらず、民間などから利活用の提案はないという。

 25日は市側から4施設の解体工事費の見積額が示された。いずれも別途、調査や埋め戻し工事などの費用がかかる。委員からは本庁舎の保存には費用対効果の点で疑問を呈する意見があったほか、3D映像などデジタルの形で残す方法の提案があった。

 昨年11月に新庁舎が開庁し、4施設は現在使用されていない。検討委は内田裕市岐阜大教授を委員長に、学識経験者や市内の団体代表ら計9人の委員で構成。昨年7月から会合を開いており、2月下旬に最後の委員会を開いて市への答申をまとめる予定。

 一方、近代建築の保存などに取り組む一般社団法人「ドコモモ・ジャパン」(東京都)は、本庁舎を文化財候補の建築遺産として、検討期間の延長を訴える要望書を市に提出している。