水舟に流れ出る水の味を確かめる蔵人=飛騨市河合町元田
雪中酒の仕込みに使う天然水を取る蔵人ら=飛騨市河合町元田

 雪を生かした地域づくりに取り組む岐阜県飛騨市河合町の特産品「雪中酒」に使う天然水の水取り作業が26日、同町元田の水源地近くにある水舟で行われ、造り酒屋の蔵人が水をくみ取った。

 雪中酒は同町と白川村境にある天生峠辺りから流れ出る水で仕込む日本酒で、天然雪で覆われた雪室で3カ月ほど熟成させて仕上げ、夏場に雪と桃の枝とともに箱詰めして愛飲家に届ける。29年前から造られており、事業は同市の第三セクター「飛騨ゆい」が手掛け、醸造は同市古川町の渡辺酒造店が担っている。

 天然水は、同市河合町元田の荒町地区の住民が導水施設などを管理して利用しており、清らかな水が水舟に満ちている。同地区の女性は「以前に町内で雪中酒を造ろうとした際、水質などを調べ直し、天生の水が使われることになった。造り酒屋の当時の杜氏さんに良い水と言ってもらえた」と話す。

 作業は同酒造店の蔵人ら3人が行い、雪に囲まれた水舟に流れ出る水を確かめた後、ポンプを使って千リットル余りの水をタンクにくみ上げた。今後も2千リットル程度の水を取る。同酒造店の小鹿栞歩さんは「酒造りに加わる喜びと楽しさを感じながら、水を見つめた。さっぱりとしながらも味わい深い酒を造り、皆さんに飲んでもらいたい」と話した。

 雪中酒は720ミリリットル入りで4千円。7月から4千本を販売する予定。