古くから伝わる野良着を現代ファッションとしてよみがえらせ、全国に発信している石徹白洋品店(岐阜県郡上市白鳥町)の衣服が、イギリスで開催中の日本の民芸を取り上げた展覧会「Art Without Heroes Mingei」に出展されている。現代の民芸を象徴する、環境に配慮した服作りを行うブランドとして紹介されたことに、店主の平野馨生里さん(42)は「とても光栄」と喜びを語る。
かんたん検索! 岐阜県・東海のイベント お出かけ情報総合サイト「ぎふっと!」石徹白洋品店は、平野さんが岐阜市から移住し2012年に開業。手織り布を草木や藍で染め、直線裁断でズボンの形に縫った石徹白地域伝統の野良着「たつけ」に魅了されたことがきっかけ。同展では「たつけ」「越前シャツ」「袖なし」の衣服3点のほか、端切れが出ないパターンを伝える裁断図も展示された。海外の芸術展への出展は初めて。
同展はロンドンの博物館ウィリアム・モリス・ギャラリーで9月22日まで開催。「民芸の三世代」をテーマに、柳宗悦と仲間たちに影響を与えた19世紀、民芸運動が活発化した20世紀、民芸の価値観が現代的に再解釈される21世紀、と3コーナーに分け、陶器や刺し子、こけしなど日本各地の民芸品を紹介する。石徹白洋品店は自然素材と伝統技術を用いたものづくり、地域のつながりなどが評価された。
平野さんは「私たちの取り組みは民芸というより民俗学の系譜と考えていた」とした上で「先人が培い、現代で忘れ去られかけていた知恵に目を向けてもらえてうれしい。たつけなどの形の美しさが海外でも知られる契機になれば」と話す。環境への配慮が評価されたことにも「名もなき小さな〝村のブランド〟だが、大量生産、経済至上主義の社会から転換しなければならないという意識の下で選ばれたのではないかと思う。世の中がそういう方向に進みつつあることに希望を感じている」と笑みを浮かべる。
石徹白洋品店は昨年、たつけ講師の育成に乗り出した。2泊3日で製法や石徹白の歴史を教える講座を開き、これまで30~50代の18人が受講。関東、関西など6都県の8人が実際にたつけを伝える活動を始めており「石徹白の伝道師になってくれている」と平野さんは手応えを感じている。
国内だけでなく海外でも石徹白洋品店の衣服に光が当たり、平野さんは「日本らしさがありながら着物よりも日常で着やすいのも特長。背景や思想がある服として共感してもらえたのかもしれない」と話した。













