
全日本、世界大会で活躍 波の上で華麗な技を連発
宇野佑真さん[大垣南高校 2年]
うの・ゆうま 2007(平成19)年生まれ、安八郡輪之内町出身。輪之内中出。
中学1年生からウェイクサーフィンを始める。輪之内中学2年時には「九州ウェイクサーフィンフェスタ2021」アマチュア男子複合で優勝を果たす。高校1年時には全日本選手権(11月・大分)でサーフ、スキム部門(※いずれもトップカテゴリー)、ジュニア(年齢別)・サーフ部門の3部門で優勝の快挙を達成。韓国で開催されたアマチュアの世界大会「ワールドチャンピオンシップ」(10月)にも出場し、スキム部門で2位に輝く。普段は早朝から海津市の長良川で練習に励んでいる。高校ではバスケットボール部に所属。
世界のトップ選手になることでウェイクサーフィンを人気スポーツに!
昨年、高校1年生でウェイクサーフィンの全日本選手権3種目制覇の快挙を達成し、アマチュアの世界大会では2位に輝き、プロの資格を与えられた宇野佑真さん。
ウェイクサーフィンのプロ選手である母・妙子さんの影響を受け、中学生から競技を始めました。
体幹の強さを武器に、技を連続して出せるところが宇野さんの持ち味です。
今後の目標は、プロ選手として世界のトップ選手になることと、日本でもっとウェイクサーフィンの認知度を上げること。
そんな宇野さんにウェイクサーフィンへの熱い思いを聞きました。

■ウェイクサーフィンを始めた時期ときっかけを教えてください。
中学からウェイクサーフィンを始めました。ウェイクサーフィンのプロ選手である母が大会に出場している様子を見て、選手たちの技の格好良さに惹かれて自分もやってみたいと思うようになったんです。高いエアーや、波の方向に向かってジャンプしながら回転するアーリーウープなどに魅せられました。
小学生の時はBMXのフラットランド、ウェイクボード、剣道、水泳などもしていました。中学の部活ではバスケットボール部に入り、高校でもバスケ部に在籍しています(レギュラーとして活躍!)。

■普段はどこでどのような練習をしているのでしょうか。
海津市の長良川でウェイクサーフィンの練習をしています。平日は学校があり、放課後はバスケ部の活動があるので朝6時頃に練習をします。土日は部活が午前中にあれば午後に、午後の場合は午前中に練習をするといった感じです。
川以外の場所で練習をするときは、陸上でサーフィンの技をイメージする「陸トレ」や、体の奥を緩めて可動域を広げて体幹を鍛える「アクアチューニング」をして体の調子を整えたりしています。脚力アップの練習として、ジャンプボックス(長方形の箱に跳びのる)も行っています。
また、バスケットのディフェンス練習は足腰のトレーニングにもなるので、パワフルな滑りをするのに役立っていると思います。
■昨年は高校1年生にして、全日本選手権のサーフ、スキム(いずれも一般部門)、ジュニア・サーフの3種目で優勝を果たしました。快挙達成の感想をお聞かせください。
昨年の全日本選手権(11月)は、上位に食い込めばプロの資格(国内大会が対象)を与えられることもあって予選は緊張しましたが、自分の見せたいパフォーマンスを披露することができました。決勝は競技前に自分の好きな音楽を聴いて入念にストレッチをしたおかげで、落ち着きながら自信を持って思い通りの技を出せました。予選、決勝を通じて納得のいくパフォーマンスを発揮できたところに、自分の成長を実感できました。日本一になってプロになることを目指して頑張ってきましたし、親にも普段から練習に付き合ってもらっていたのでうれしかったですね。
※全日本選手権の1カ月ほど前に行われた世界大会「ワールドチャンピオンシップ」(韓国)にも出場。スキム部門で2位に輝き、世界大会を対象とした大会でのプロ資格も与えられた。ワールドチャンピオンシップのスキム部門での入賞と、スキム部門のプロ資格を与えられた日本人選手は宇野さんが初めて!

■宇野さんにとってウェイクサーフィンの魅力ややりがいは何ですか。
新しい技ができるようになるまでの過程が楽しいですし、大会では自分の得意な高さのあるパワフルな演技を見せたいと思っています。
また、大会に出場するとさまざまな年齢の人がいて、コミュニケーションを取ることができます。海外の大会では、外国の人と英語で会話を交わすこともあるので、競技を通じて自分のコミュニケーション力が上がっていると感じます。
■最後に今後の目標をお願いします。
これまではアマチュアの大会で戦ってきましたが、これからはプロとして世界で1番の選手になりたいです。自分が憧れている海外のトップ選手のようなパフォーマンスを見せられたらと思います。そのためにも、より一層練習に力を入れていきます。
また、日本ではまだウェイクサーフィンを知らない人が多いので、もっと広めていきたいですね。
走行するボートの後方に発生する“引き波”を利用して滑走する、新感覚のウォータースポーツ

川の上でサーフィンの板の上に立ち、モーターボートにロープ(ハンドル・ライン)を手で持った状態から引っ張ってもらい、ボートが動くことで発生する引き波に乗ってジャンプしたり、回転技などを見せることでパフォーマンスの難易度を競い合います。
ウェイクボートとの大きな違いは、波に乗った後にロープを手から放した状態でパフォーマンスを繰り出すところです。また、通常のサーフィンと同様に、足と板を固定しない素足の状態で技を出します。
サーフ・スタイル SURF STYLE
サーフィンで使用するサーフボードをウェイクサーフィン用に改良したボードで直進安定性に優れており、しっかりとした浮力があるため、高さのあるジャンプや派手な回転技を繰り出します。
スキム・スタイル SKIM STYLE
サーフと比べて横幅のあるボードで、自由な操作性が特徴です。サーフと比べて浮力が少ないため、初心者用のボードも多く開発されています。