第106回全国高校野球選手権岐阜大会は6、7の両日、長良川球場などで1回戦17試合を行った。今大会最大の注目・死のAブロックは、優勝候補筆頭の〝県岐阜商包囲網〟を敷く強豪各校が、それぞれ持ち味を発揮してコールド発進。対する県岐阜商は打ち勝つ本来の野球ではなく、じっくり見極めて待って勝つ新スタイルで、高山西の好投手高橋俊二を攻略し、5―1で創部100年のメモリアルな夏をスタートした。
■低めのボールになるスライダーを見極め攻略
一気に成長して最速145キロの威力あるストレートと切れのいいスライダーをひっさげ夏の舞台に躍り出た。
高山西のエース高橋の想像を超えた好投に県岐阜商打線は戸惑った。
「序盤から一気に打力で圧倒する」チームテーマを発揮できない。中でもボールになる低めのスライダーに手を出し、空振りしていたため、鍛治舎巧監督は、ファーストストライクを積極的に打ちに行く本来の野球から「じっくりと球の見極め」をナインに指示。五回にこの方針転換が結実し、試合を決める先制の4得点につながった。
無失点で好投していた先発池田諒真の代打大野友也が先頭で死球出塁すると1死後、2番日比野遼司、3番加納朋季が連打で満塁。4番坂口路歩、5番垣津吏統が指示通り見極め、連続四球押し出しで2点を先取した。
「連続押し出し後。必ずストレートでストライクを取りに来る」と6番大東要介。狙い通りに甘く入ってきたストレートを...