クラスター発生による開催取りやめを告知する立て看板が置かれた正門=羽島郡笠松町、笠松競馬場

 笠松競馬(岐阜県羽島郡笠松町)を運営する県地方競馬組合は、騎手の間で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生したことから、21日から5日間予定していた第12回開催(梅花シリーズ)を取りやめた。所属する騎手や調教師らによる馬券の不正購入など一連の不祥事による開催自粛を経て、昨年9月に再開して約半年。組合の2021年度収支は昨年12月時点で5億円以上の赤字が見込まれており、泣きっ面に蜂の状況だ。

 組合によると、第11回開催(2月7~11日)前日の6日、体調不良を訴えた騎手2人が病院で検査した結果、感染が分かった。組合の抗原検査で別の2人の感染が判明したほか、9日には新たに騎手2人が陽性に。組合は、他の騎手を規定の宿泊施設「調整ルーム」ではなく県内のビジネスホテルに泊まらせたが、開催終了後に2人の騎手が、さらに18日には1人の感染が判明。他の競馬場からの短期騎乗を含む所属騎手16人のうち、計9人が感染したことで組合は第12回開催の取りやめを決定した。騎手が集まる騎手控室などで感染が広がった可能性があるという。

 組合の天野富三事務局長は「感染対策は行ってきたが、騎手個々の予防意識が甘かったのかもしれない」と肩を落とす。笠松競馬は年度をまたいで約8カ月間、開催を自粛していたため、21年度の収支は約5億2千万円の赤字となる見込みだった。そんな中で、よもやの開催取りやめ。「通常、1回の開催で約20億円の売り上げがあり、非常に残念」と天野事務局長は唇をかむ。今後は専門家の指導を受け感染対策を強化する。

 昨年9月からの開催再開後は、売り上げの落ち込みを懸念していた関係者の心配をよそに、馬券の売り上げは順調に推移。組合によると、これまで前年度実績を上回っており、水を差された格好にもなった。

 本年度は次回3月14日からの第13回開催(弥生シリーズ)を含め、2回の開催を残すのみ。天野事務局長は「感染対策に万全を期し、ファンの皆さまに心配と迷惑を掛けないよう努めたい」と話した。