採用担当者の説明を聞く学生=3日午後、岐阜市金町、市文化センター

 2023年卒業予定の大学生・大学院生らを対象にした企業の会社説明会が1日に解禁されたことを受け、岐阜県内でも3日、岐阜新聞社主催の合同企業説明会が岐阜市内で開かれ、県内外の学生が企業担当者の説明に耳を傾けた。大学3年の学生はコロナ禍が直撃し、授業や留学、サークル活動などが長期間満足にできないまま就職活動を迎えている。自身をどうPRするか悩む学生がいる中、県内企業の多くの採用担当者は「活動が制限されていることは仕方がない」と捉え、人柄やコミュニケーション能力、学生生活で行ってきたことの過程や考え方を選考で重視する傾向も見られる。

 「サークルも留学もインターンシップ(就業体験)もできていない。アルバイト経験ぐらいしか満足に話せない」。広島県内の私立大3年の男子学生(21)=岐阜市出身=は、切実な表情で学生生活を振り返る。Uターン就職を希望してこの日の説明会に参加した。大学では海洋生物科学科に在籍。飲食店で魚をさばくバイトをしているといい、「大学での学びとバイトで身に付けたスキルを絡めてアピールできれば」と話す。

 東海地方の公立大学に通う3年の女子大学生(21)は、「就活で使えるエピソードがまだ決まっていない。どう訴えれば企業側に響くのかを、いろんな企業の担当者の話を聞きながら考えたい」と打ち明ける。

 企業側は学生をおもんぱかりつつ、人柄や仕事に対する姿勢を選考時のポイントに挙げる意見が目立つ。西濃地域の自動車部品メーカーの担当者は「コロナ禍になって留学やボランティアといった課外活動ができないのは仕方がない」と思いやり、「大学で学んできた内容や面接を通して分かる性格や人となりを見ていきたい」と話す。

 輸入車ディーラーの岐阜ヤナセ(岐阜市)は「接遇が求められる職場なのでコミュニケーション能力を重視したい」とし、「選考のどこかのタイミングで対面形式を取り入れたいが、学生の負担が少ない方法を考えたい」。水回り製品メーカー水生活製作所(山県市)は、「学生生活で行ってきたことの大小ではなく、取り組んだ過程や考え、仕事に対する姿勢を訴えてほしい」と求める。

 就職情報大手マイナビが実施した企業の採用意識に関する調査によると、採用の工夫として「コロナ禍で気付いたこと、工夫したことを聞く」などの回答があった。マイナビは「(学生生活の)エピソードが少ないことを踏まえ、他の質問をすることで学生の人柄を引き出す工夫をしている」と企業の動向を分析している。