被災地の写真を撮り続ける三浦寛行さん。「教訓を風化させてはいけない」と記録に残す=岐阜市神田町、岐阜信用金庫本店
移転した新たな釜石東中学校から捉えた、旧校舎のあった街並み。住宅がまばらに立つのみだ=1月1日、岩手県釜石市内(三浦寛行さん撮影)

 2011年から東日本大震災の被災地の写真を撮り続ける、写真家三浦寛行さん(53)=岐阜市鷺山南=の写真展が18日まで、同市神田町の岐阜信用金庫本店で開かれている。隣接する小学校の児童と共に学校にいる生徒全てが避難して無事だった岩手県釜石市の釜石東中学校、児童ら84人が亡くなった宮城県石巻市の大川小学校の現在の様子を捉えた写真などを展示。「11年の歳月が経過した今、教訓を風化させず、命を守るための防災について、海なし県の岐阜の人たちに考えてもらいたい」と話す。

 三浦さんは、11年6月に初めて釜石市を訪れた際、同中学校の校名板をがれきの中から発見。以来、生徒との交流を続ける。これまでに約40回にわたって東北入りし、宮城、岩手、福島県の被災地の様子をカメラで記録し続けてきた。「復興に向けて公共工事は進んだが、自宅を再建できる人、できない人の格差が生じている」と被災地の現状を話す。

 直近では昨年末から年明けにかけて被災地を訪問し、高台に移転した新たな釜石東中学校から復興スタジアムが立つ跡地を捉えたほか、震災遺構となった大川小学校の様子も撮影した。会場ではこれらを含め、11年から22年までに撮影した写真計72点を年ごとにパネルに収めて展示している。

 防災士の資格を持ち、防災教育にも力を入れる三浦さん。「この震災で助かる命、助からない命があった。避難時の選択が生死の明暗を分ける」と力を込め、日頃からの備えを訴えた。