地震保険のポイントが記されたパンフレット=瑞穂市内

 東日本大震災から11日で11年になる。この日以降も大きな地震が各地で相次いでいる。被災後の生活再建に欠かせないのが金銭的な支えだ。どのような備えや公的支援があるのだろう。損害保険の専門家や岐阜県の防災担当者に聞いた。

 気象庁によると東日本大震災の後、震度5強以上の地震は全国で75回起きている。幸いにも岐阜県ではこの11年間、震度4を超える地震はないが1891(明治24)年の濃尾地震の例もあるので楽観視できない。

 金銭的な支えとして、まず思い浮かぶのが地震保険だろう。損害保険料率算出機構のまとめでは岐阜県の世帯加入率(各種共済は含まない、2020年)は39・1%で、全国4位。宮城県の51・9%、熊本県の43・5%、愛知県の43・3%に次ぐ加入率だ。宮城県は東日本大震災、熊本県は16年の熊本地震の後に上昇したが、岐阜県の高さは全国5位の持ち家住宅率(74・3%、18年)が背景のもよう。とはいえ、全世帯の4割に満たないのが実態だ。

 県損害保険代理業協会の森信彦専務理事によると、地震保険は単独では加入できず火災保険とセットで入る。補償額は加入している火災保険の補償額の3~5割で統一され、住居と家財が対象。それぞれ5千万円と1千万円が上限で、一つが30万円を超える貴金属や美術品などや、自動車は対象外という。

 濃尾地震でも岐阜市や大垣市で火災が起きたが、地震に伴う火災は火災保険の対象外。地震保険の範囲になるため注意が必要だ。森専務理事は「阪神・淡路大震災の頃は地震保険の世帯加入率は全国で1割弱。火災保険の対象になると思っていた人が多かったと聞いている」と話す。

 保険は“自助”に当たるが、“公助”として国にも支援金制度がある。県防災課地域支援係によると、阪神・淡路大震災を教訓に制定された「被災者生活再建支援法」に基づく制度で、被害の原因となった自然災害が制度の対象になると持ち家、賃貸を問わず、住居の被害程度や再建方法に応じて最大300万円が支給される。住居が全壊もしくは解体することになり、新居を建てたり購入したりした場合が300万円だ。

 国の対象にならなかった場合でも、岐阜県独自の支援金制度がある。国と同様の基準で最大300万円が支給されるという。

 気になるのが地震に伴う火災も対象かどうか。内閣府に聞くと、対象は自然災害であり、火災は含まない。ただ、どこまでを範囲とするかは知事の判断といい「地震に伴う火災だと証明できれば、それを否定するものではない」というのが国の見解だ。森専務理事と県担当者は「被災後は家の中を片付けたくなるが、片付ける前に被害状況を写真に撮ってほしい」と口をそろえた。申請時の決定的な証拠になるからだという。