機器の量産に必要な金型などを下請け会社に無償で長期間保管させたのは下請法違反(不当な経済上の利益の提供要請)に当たるとして、公正取引委員会は24日、油圧機器製造大手「カヤバ」(東京)に保管代金の支払いと再発防止を勧告した。167社に少なくとも約5700個を保管させていた。
同社は、二輪車や自動車に使われる油圧緩衝器の製造大手。勧告対象にはカヤバ所有の型だけではなく、老朽化した型の代わりに下請けが製造した型も含まれる。
公取委によると、同社は遅くとも2023年4月以降、長期間発注がないのに金型などを無償で保管させていた。
公取委はカヤバの許可なく廃棄できないことなどから、全ての型は同社の管理下にあると判断した。公取委の担当者は記者会見で、型の所有を下請け会社に移す動きがあるとして「下請け会社所有だとしても、型の無償保管が問題となり得る場合がある」と注意喚起した。
カヤバの油圧機器製造工場は主に岐阜県にあり、中部地方に下請け会社が多いという。