【キーウ共同】ウクライナ当局は、ロシア占領地を取材して捕虜となったウクライナの女性記者、ビクトリア・ロシチナさん=当時(27)=の遺体が2月にロシアから返還され、激しい拷問の痕跡が見つかったと明らかにした。眼球や脳の一部が摘出され、証拠隠滅を図った可能性がある。ロシア独立系メディアが29日に報じた。
ロシチナさんは、主要メディア「ウクラインスカ・プラウダ」などに寄稿するフリーランスの記者だった。2023年8月に行方不明になり、ロシア南部ロストフ州の刑務所で勾留されていたことが判明した。
ロシア国防省は24年5月にロシチナさん拘束を明らかにし、24年秋に「9月に死亡した」と家族に告げていた。
ロシア独立系メディア「バージニエ・イストーリー」によると、遺体は身元不明の男性として引き渡されたという。DNA鑑定により、ロシチナさんと特定された。
ウクライナ側は、遺体に骨折や感電の痕跡があり、拷問や残虐な扱いを受けていたと非難。白目の出血や脳の酸素不足など、絞殺を裏付ける証拠を隠すために眼球や脳の一部を摘出した可能性があるという。