原子力規制委員会は30日の定例会合で、北海道電力泊原発3号機(北海道)の安全対策が新規制基準に適合しているとする「審査書」の案を了承した。事実上の審査合格で、11原発18基目。審査は長期化し、2013年7月の申請から11年以上かかった。北海道電は27年3月ごろまでに防潮堤建設などの安全対策工事を終えた後、再稼働を目指すとしている。

 今後、一般からの意見公募や経済産業相への意見照会などを経て、夏ごろにも正式合格となる見通し。再稼働には地元同意や、規制委による設備の詳細設計や運用ルールの認可が必要となる。

 泊3号機は09年12月に運転を始めた国内最新の原発。北海道電は新規制基準施行当日に審査を申請したが、敷地内の断層が活断層かどうかなどの議論で長期化した。1、2号機の審査は継続中。

 会合で山中伸介委員長は、泊3号機と既に再稼働済みの同型原発では、設備面でほとんど違いがないことを事務局に確認。その上で「長時間かけたのは敷地内断層の審査だと理解している」と述べた。