原子力規制委員会は30日、北海道電力泊原発3号機の安全対策が新規制基準に適合しているとする「審査書」の案を議論する。案が了承されれば事実上の合格となる。北海道電は2027年3月ごろまでに防潮堤などの安全対策工事を終えた後、再稼働を目指すとしている。
泊3号機は09年12月に運転を始めた国内最新の原発。北海道電は13年7月の新規制基準施行当日に審査を申請したが、敷地内の断層が活断層かどうかなどの議論で長期化した。1、2号機の審査は継続中。
審査の結果、耐震設計の目安となる基準地震動は、申請当初の最大550ガルから最大693ガルとなった。津波想定は海抜7・3mから17・8mに引き上げた。14年に16・5mの防潮堤を設置したが、規制委が液状化現象で沈下する恐れを指摘し、19mに造り直している。周辺の火山の噴火で厚さ40cmの火山灰が降り積もる事態を想定する。
電源車や注水ポンプ、緊急時対策所などを含めた3号機の安全対策工事の費用は約5150億円となった。