ローマ教皇フランシスコを追悼するミサを執り行う前田万葉枢機卿。教皇の後継を選ぶコンクラーベに参加する=4月29日、大阪市中央区

 4月21日に死去したローマ教皇フランシスコの後継を選ぶ教皇選挙(コンクラーベ)に参加する大阪高松大司教の前田万葉枢機卿(76)は5月1日までに共同通信の取材に応じ「新教皇は非戦や非核を重視する人を選びたい」と語った。長崎県出身の前田氏は被爆2世。2019年の教皇フランシスコの長崎訪問にも尽力した。

 教皇選挙はキリスト教カトリックの総本山バチカンのシスティーナ礼拝堂で5月7日から始まる。慣例では80歳未満の枢機卿が参加し、その中から選ぶ。今回は前田氏を含めて世界中の135人が対象だ。

 18年に枢機卿となった前田氏が選挙に参加するのは初めて。選挙権を持つことについて前田氏は「大切な使命。世界にわずかしかいない枢機卿として責任を感じる」と話す。

 その上で、教皇は平和や命の大切さ、人間の尊厳などの考え方において世界に大きな影響を与えられると指摘。「教皇フランシスコは時に内政干渉と批判されたこともあったが、教皇だから言えることもある。新教皇には同じような人になってほしい」と述べた。