近衛文麿元首相の旧邸宅「荻外荘」で再現された客間=2月、東京都杉並区

 日中戦争から太平洋戦争の直前まで首相を3度務めた近衛文麿の旧邸宅「荻外荘」が、東京都杉並区で復元、公開されている。1940年の日独伊三国同盟締結につながる「荻窪会談」が開かれた客間を再現。戦後に連合国軍総司令部(GHQ)から戦犯容疑で出頭命令を受け、45年12月に自決した書斎は当時のまま残るなど、昭和前期の政治史の舞台を体感できる。

 邸宅は27年に完成、1度目に首相となった37年に近衛の手に渡った。元老の西園寺公望が荻外荘と名付けたとされる。

 復元された邸宅の玄関には、40年の第2次内閣組閣時、記者を呼び込むために鳴らした太鼓が置かれている。