合成麻薬フェンタニルの錠剤を持つ米麻薬取締局の職員=4月29日、米南部バージニア州(AP=共同)

 【ニューヨーク共同】米紙ウォールストリート・ジャーナル電子版は2日、トランプ米政権が懸念する合成麻薬フェンタニルの米国流入について、中国政府が対応策を検討していると報じた。王小洪公安相を米国に派遣する案が浮上しているという。

 トランプ政権との関税措置の応酬で緊張が高まっているが、中国側は対応策の提示を交渉開始の糸口にして対立を緩和させようとしている可能性がある。

 中国で製造された原料からメキシコの犯罪組織がフェンタニルを生産し、米国に密輸。過剰摂取による死者が後を絶たず、米国で社会問題化しており、トランプ政権は対策が不十分だとして中国への関税を強化した。

 同紙によると、王氏は最近になって、トランプ政権が薬物対策として中国にどんな役割を具体的に求めているのかを調べ始めた。一方で関係者は王氏の派遣など、中国側の対応は依然として流動的だと語った。