【高陽共同】韓国の保守系与党「国民の力」は3日、ソウル郊外の京畿道高陽市で党大会を開き、6月3日投開票の大統領選の党公認候補に金文洙前雇用労働相を選出した。支持率でリードする革新系最大野党「共に民主党」の候補、李在明前代表に対抗するため、今月2日に無所属で出馬表明した韓悳洙前首相との候補一本化を模索する。
金氏は選出後に演説し、李氏の政権奪取を防ぐためなら「どんな勢力とも強力に連帯する」と述べた。その後の記者会見では「韓悳洙氏とは近い間柄だ」として、一本化協議に前向きな考えを示唆した。
与党はこの日までに候補者を金氏と韓東勲前代表に絞り込んだ。「決選投票」は党員投票と世論調査で争われ、総合得票率で金氏が56・53%を獲得した。
金氏は、「非常戒厳」宣言を巡って罷免された尹錫悦前大統領の弾劾訴追に反対した保守強硬派とされる。
一方の韓悳洙氏は保革の両政権で首相を担った経験から党派色が薄い。保守層だけでなく、中道層も取り込めるとの期待から与党内には韓悳洙氏に一本化する案も取り沙汰されている。