日本国憲法の施行から78年となる憲法記念日を迎え、東京都内で3日、集会が開かれた。石破茂首相は改憲派の集会に寄せたビデオメッセージで「緊急事態対応、自衛隊の明記を最優先に取り組みたい」と意欲を示した。一方、護憲派は「軍拡ではなく、平和に向けた施策を」と訴え、戦争放棄をうたう9条の意義を強調した。
ロシアによるウクライナ侵攻やイスラエルのガザ攻撃など混沌とする国際情勢を踏まえ、双方の集会で安全保障の在り方が議論された。
改憲派の集会はテーマを自衛隊の9条明記と緊急事態条項創設に絞り、登壇者は台湾有事の危険性などを述べた。石破首相はメッセージで「戦争を体験された世代の方々が元気なうちに、この憲法は国民に問うていかねばならない」と話した。
護憲派集会では、立憲民主党の辻元清美代表代行が、紛争を武力で解決しないとする憲法がある日本こそ「(世界で起きている紛争の)仲介の先頭に立つべきだ」とした。日本原水爆被害者団体協議会(被団協)の代表委員田中熙巳さん(93)も登壇。核兵器廃絶を訴えた。