誉田御廟山古墳(応神天皇陵)=4月、大阪府羽曳野市

 大阪府羽曳野市の前方後円墳、誉田御廟山古墳(応神天皇陵、5世紀前半)の前方部頂上で発見された石室は、巨大な土盛りの中にあることが4日、分かった。宮内庁が天皇陵などに指定している別の前方後円墳でも、航空レーザー測量などで前方部に同様の土盛りが確認されており、埋葬施設が存在する可能性が高くなった。

 墳丘は後世の開発などで削られていることが多く、土盛りが注目され始めたのは近年になってから。儀式を行う祭壇などの説があった。

 2008年、考古学者らで構成する宮内庁陵墓管理委員会が初めて誉田御廟山古墳に立ち入り、前方部の頂上で巨大な方形の土盛りを確認。「前方部にも埋葬施設があるのでは」と言われるようになった。土盛りは推計で底面の一辺約40メートル、上面の一辺約20メートル、高さ約8メートル。竪穴式石室は土盛りの中に築かれているとみられる。

 12年に百舌鳥・古市古墳群の世界文化遺産登録を目指していた堺市などが航空レーザー測量を実施し、等高線の間隔が10〜20センチの精緻な平面図を公開していた。