【シドニー共同】オーストラリアで3日行われた総選挙は与党、労働党が圧勝した。解散前は支持率で優勢だった野党勢力、保守連合は記録的大敗に終わった。在宅勤務禁止や移民制限といった政策がトランプ米大統領を連想させ、人気が失速。選挙期間中に軌道修正したが手遅れだった。先月のカナダ総選挙に続き、反トランプ感情が保守政党を直撃した。

 「トランプ氏は、大局的な考えを持った人で、取引の達人だ」。保守連合の首相候補だったダットン氏は2月、パレスチナ自治区ガザの住民の域外移住を提案したトランプ氏をたたえた。

 潮目が変わったのは、トランプ氏がホワイトハウスでウクライナのゼレンスキー大統領をののしり、オーストラリアを含む各国への「相互関税」を発表してからだ。

 インターネット上ではダットン氏を「安物トランプ」とからかうハッシュタグ「#TemuTrump」が拡散。

 慌てたダットン氏は政府職員の在宅勤務禁止を全面撤回し謝罪。「トランプ氏のことはよく知らない」「私は私自身だ」と距離を置いた。