ふるさと納税返礼品の産地偽装問題を受け、説明会で話す長野県須坂市の三木正夫市長=4月16日、長野県須坂市
 長野県須坂市が運営するふるさと納税の寄付受付サイト。返礼品の産地偽装問題を受け、現在は停止している=4月15日
 長野県須坂市のふるさと納税返礼品産地偽装を巡る構図

 長野県須坂市がふるさと納税返礼品で提供していたブドウ「シャインマスカット」の一部で産地偽装が明らかになった。「フルーツ王国」を自負する同市は返礼品の看板商品としてPRする一方、産地の確認は業者に一任する状態が続いていた。専門家は、他の自治体でも同様の事態が起きている可能性があり、対策を強化すべきだと指摘する。

 「現場へ行って調べなかったのは私どもの落ち度。寄付が順調に伸びる中、甘えていた部分があった」。4月、偽装の発覚を受けた説明会で三木正夫市長は管理不足を認め、陳謝した。偽装していたのは返礼品事業者の「日本グルメ市場」(和歌山県有田市)。須坂市によると、2019年以降、仕入れ先の青果企業から購入した山形県産シャインマスカットを「長野県産」と表示し、寄付者に送った。

 須坂市が23年度に果物などで集めたふるさと納税の寄付は約39億円に上る一方、担当職員は5人。新たな事業者が参入する際に発送作業を確認するといった対応にとどまり、担当者は「年々増える業者を全てチェックするのは難しい」と話す。