能登半島地震で被災した石川県内各地で4日、春の祭りが開催された。七尾市の青柏祭では、巨大な山車「でか山」を運行する曳山行事を2年ぶりに実施。珠洲市大谷地区では、約200匹のこいのぼりが空を泳いだ。祭りの再開を待ち望んだ関係者は「復興の足掛かりにしたい」と決意を新たにした。
曳山行事は、15世紀に京都・祇園祭の山鉾に倣い始まったと伝えられ、2016年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に認定。昨年は地震による道路損傷のため中止となった。
大きな人形などで彩られた高さ12メートル、重さ20トンのでか山が七尾市中心部を巡行。街角で直径2メートルの車輪をきしませ勢いよく方向転換すると、沿道から拍手と歓声が起こった。
午後1時ごろ、大地主神社に到着。既に神社で待機していた2台と合わせ計3台がそろい踏みし、圧巻の光景を多くの人が写真に収めていた。でか山復活に携わった藤元蔵人さん(49)は「地域には祭りがつないだ絆がある。復興の原動力にしたい」と語った。