売り場に積まれたコメ=東京都内のスーパー

 農林水産省は7日、4月21〜27日に全国のスーパーで販売されたコメ5キロ当たりの平均価格が4233円だったと発表した。前週より13円高い。17週連続の値上がりで過去最高値を更新し、前年同期(2088円)と比べて2倍超の高騰が続く。政府が3月に放出した備蓄米が期待されたようには店頭に行き渡らず、放出効果は依然として限定的な状況だ。

 備蓄米を巡っては、全国農業協同組合連合会(JA全農)が放出分の約94%を落札した。JA全農は落札した備蓄米約19万9千トンのうち、5月1日時点で29%(約5万7千トン)を卸売業者に出荷。4月24日時点では24%で、その時よりは約1万トン増えている。

 農水省の調べによると、スーパー店頭の販売数量は前年同期比で18・0%増えた。備蓄米は段階的に流通しているが十分な量ではなく、値下がりにはつながっていない。

 こうした状況を受け、農水省は2日、JA全農に対して流通の拡大を急ぐよう要請。石破茂首相は7日、コメ価格の高騰を踏まえた対策を自民党の小野寺五典政調会長に指示した。