【ベルリン共同】ドイツで6日、第1党の保守、キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)のメルツ新首相(69)を首班とする連立政権が発足、始動した。欧州軽視の姿勢を強めるトランプ米政権への対応が急務。メルツ氏は7日、初外遊先のフランスでマクロン大統領と会談し、連携強化で一致した。
メルツ氏は会談後の共同記者会見で「欧州は大きな課題に直面している。協力して安全保障を強化し、産業競争力を高めなければならない」と強調した。
CDU・CSUは第3党の中道左派、社会民主党(SPD)と連立を組む。新政権はロシア抑止や安保に関する対米依存からの脱却に向け、防衛力の大幅強化を図る。ドイツは欧州最大の経済国で、ウクライナ支援を巡る指導力にも期待が集まる。米政権の関税圧力への対処や景気回復も喫緊の課題だ。
首相を除く閣僚17人のうち、女性は前政権発足時と同じく、ほぼ半数の8人となった。
メルツ氏は連邦議会(下院)の首相指名選挙の第1回投票で過半数を獲得できず、2回目の投票で選出された。